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肥満と痩せ過ぎのお話 |
「うちの子は太り気味で」
「太りやすい体質なんです」
「痩せてしまって困っています」
「すでに肥満状態です」
「なかなか痩せられません」
「ダイエットの方法を教えてください」
こんなご相談が数多く寄せられています。
みなさんもご存知のように、わんちやんも人間と同様に肥満や痩せすぎは健康にとっていいものではありません。
わんちゃんが欲しがるのでついついおやつやごはんをあげ過ぎたりはしていませんか?
肥満は内臓器官に負担となるばかりでなく、関節に大きな負担をかけてしまうことになります。
わんちゃんの身体にとって過剰だったり蓄積されてしまった脂肪分は肝臓や腎臓の働きを阻害することもあります。
肝臓や腎臓は身体の中で必要のないものを取り除くフィルターの役割や代謝・免疫・血液の管理をしているため、働きが阻害されると肝臓や腎臓はその分一生懸命働かなければならず、そのことが酷使や負担につながり、体内の代謝力が低下し、より痩せにくい体質になってしまったり、免疫力が低下してしまうことで病気などに対する抵抗力が失われ、すぐ病気になったり、症状がなかなか改善されなかったりすることにつながります。
また脂肪分等の身体への過剰な蓄積は、心臓の働きにも悪い影響を与えたり、内臓の働きを阻害し、膵炎や糖尿病の危険にもつながります。
糖尿病になると、毎日インスリン注射が必要になるばかりか、糖尿病からくる白内障になってしまうと視力を失ってしまうことすらあります。
さらに体重の増加は、手足の関節や股関節などに直接大きな負担となり、障害につながる可能性を高めることになります。
関節の障害は手術などの治療が必要になったり、歩行困難になってしまうことすらある、とても危険なトラブルです。
また、痩せすぎは成育不全の危険や、免疫力の低下、虚弱体質につながることがあります。
免疫力の低下は、いろいろな病気に対する抵抗力が低くなってしまうので、病気にかかりやすくなります。
また、痩せすぎは体力低下につながることも多いので注意が必要です。
今何も問題が起きていないからと油断してはいませんか?
わんちゃんの生涯を考えて健康管理をしてあげてください。
肥満の要因は運動量や身体の維持、わんちゃんの基礎代謝に対して、摂取カロリーのアンバランスや脂肪分などの過剰摂取、脂肪分などの摂取と活用のアンバランスなどや、栄養バランスの崩れ、わんちゃんそれぞれの内臓の働きなどにも大きく左右されます。
摂取カロリーのアンバランスは、必要量より食事量が多い、おやつの食べすぎ、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが合っていない等が考えられます。
わんちゃんも年齢や活動状況によりフードを選択する必要があります。
人間でも子供とお年寄りでは食事内容が違います。
若い頃は平気だったのに年を重ねていくと脂っこい物を食べると胸やけしたり、うまく消化できなくなったり、摂取した栄養分を消費しきれずお腹がでてきてしまったり…
これらはわんちゃんにおいても同じことが言えます。
またわんちゃんが食事をあまり食べないのに太っているという場合があります。
わんちゃんがあまり食事を食べないと食べさせるためにフードにお肉や野菜、缶詰、果物、わんちゃんが好むものを混ぜて食べさせてしまうということが多く見うけられますが、少ない食事量でもわんちゃんが痩せてしまったり元気をなくしてしまうなどがなければ、少ない食事量でもそのわんちゃんには適正量であるということが多くあります。
その場合、混ぜ物をして無理にたくさんの量を食べさせてしまうことで、結果的にわんちゃんが必要としている栄養量よりも摂取栄養量が多くなってしまい、「あまり食べないのに太っている」ということにつながってしまったり、色々な物を混ぜることで栄養バランスが乱れてしまい、太りやすい体質になってしまったり省エネ型の体質につながってしまうことが多くあります。
食べないから食べるものを探して与えるのではなく、適正量をきちんと判断してあげ、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
日頃の活動状況にあわせたフードを選び、適量を食べさせてあげるようにしてください。
フードに表記されている給餌量はあくまでも目安です。
わんちゃんの体型をみながら調節してあげてください。
また、必要以上に間食やおやつをあげないようにしてください。
おやつなどを食べたときは、その分食事の量を調節してください。
栄養バランスの崩れは普通に生活しているとなかなか気がつきにくいものです。
「カロリー・脂肪分の摂取には気をつけているのになかなか痩せない」
「ごはんにも気をつけているし、運動もしているのに」
という場合などに多く見られるようです。
栄養バランスが崩れていると脂肪分をうまく処理分解できず身体に蓄積しやすくなってしまったり、代謝が悪くなりカロリーを消費しにくい身体になってしまったり、少ない栄養量でも身体を維持したり活動できてしまうものの少しでも多く栄養量を摂取してしまうとすぐに太ってしまうというような省エネ型の体質になってしまうことがあります。
人間でもダイエットの方法を間違えると全然痩せられなかったり、リバウンドで逆に太ってしまったりするのと同じことです。
一般に人間が食べない部分を原材料に使用しているようなフードは、そのままでは栄養価に欠けてしまいます。
その原材料の栄養価不足を補うために合成栄養素を後から入れて製造しているフードは多くあります。
ナチュラルと呼ばれているフードも例外ではありません。
この場合、製造されたフードの栄養価は十分だとしても、合成栄養素はわんちゃんにとって吸収しにくかったり、負担となることもあるばかりでなく、栄養素によって吸収率が違うことや、フードによってはわんちゃんの内臓器官に負担がかかり、その影響で内臓器官機能が低下してしまい、栄養をしっかり吸収できないなどのために栄養のバランスを崩すキッカケになることがあるのです。
本来はしっかりした食事できちんと栄養を摂取するのが一番良い方法です。
人間でも食事の量を減らしてその分サプリメントで栄養分だけを補う生活は健康的とは言えません。
このような内臓器官機能の低下は、栄養を吸収する力の低下でもあるので太ることとは逆にしっかり食べているのに痩せてしまうわんちゃんの原因にもなるのです。
また、ダイエット用の栄養価のフードを選んであげているのに、早く痩せさせるなどのために大幅に給餌量を減らしてしまったりなどはありませんか?
摂取した栄養を活用したり燃焼させるためにも必要な栄養があります。
安易に量を減らしてしまうと、その必要な栄養素の摂取量までが減ってしまい、逆に痩せにくい体質になってしまうこともあります。
また食事量が少ないことでわんちゃんが食事に満足できないと、ストレスになってしまったり食べ物に対する執着心が異常に強くなってしまうこともあります。
現在太っているわんちゃんはもちろん、そうでないわんちゃんもカロリー・脂肪分の過剰摂取や栄養バランスの崩れに十分注意し、痩せているわんちゃんは栄養価や食事の量、栄養バランスに注意してわんちゃんの体重・体型など健康管理をしてあげてください。 |
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