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アルカリ尿や結石の原因は体質など先天的な要因や、偏った食生活などの後天的な要因などいろいろあります。
一概には言えませんが、根本原因のひとつとして体内代謝の不良があります。
わんちゃんは摂取した過剰な栄養分や身体にとって必要のない物質などを尿などで対外へ排出しています。
特に夜の長い睡眠などでしっかり代謝が行われると朝一番の尿で身体にとって必要のない物を排出しています。
その朝一番の尿は身体にとって必要のない物質を排出するために、やや酸性の尿になります。
しかし、身体の中で必要のない物質を取り除く役割や、血液・免疫・代謝などの管理をしている腎臓や肝臓の働きが順調に行われていないと尿が酸性化しなくなってしまいます。
尿は毎回酸性化するわけではなく、必要に応じて酸性化しています。
しかし、腎臓や肝臓の働きが低下し、尿を酸性化できなくなってしまうと尿がアルカリ化してきてしまいます。
正常時には体内に吸収しきれないミネラルやマグネシウムは尿から排出されるのですが、アルカリ化した尿が続くアルカリ尿になると、排出されるはずのミネラルやマグネシウムなどがドロドロになり、排出しきれず、やがて結晶化し固形化することで尿管を塞ぐ結石につながっていきます。
このことからアルカリ尿や結石など防いだり、改善したり、再発を予防するためには、腎臓や肝臓の働きがとても重要になってきます。
さきほどもお話したとおり、腎臓や肝臓は身体にとって必要のない物質を取り除くフィルターの役割をしているため、ドッグフードなどに含まれる塩(食塩・塩化ナトリウム)・化学薬品・合成添加物などの影響を直接受けてしまい、代謝のリズムが崩れることで尿のアルカリ化につながることもあります。
実際には腎臓や肝臓の機能低下は代謝だけではなく、免疫管理などの働きも低下するため、皮膚・被毛トラブルや内臓トラブルなど健康全般に悪影響を及ぼすことにつながります。
アルカリ尿や結石を予防するためには、腎臓・肝臓などの内臓器官に負担をかけない食事にしてあげることがとても大切です。
さらに、既に症状が出ているわんちゃんの場合、先ほどもお話したとおり肝臓の働きが低下していることがとても多いので結石の症状以外にも肝臓が行っている脂肪分の管理についても機能がやや低下していることが考えられることや肝臓の働く環境を整えてあげるために食事の中に含まれる脂肪分の量を調節してあげることが大切になります。
すでに症状を発症してしまっている場合には対処が必要になるのでいきなりドッグフードを替えるのではなく、獣医師の指示に従い、ある程度回復できた段階で再発予防のためや根本回復のために安全性や栄養面でしっかりしたドッグフードにしてあげることをおすすめします。
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